植生の遷移と極相

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植生とは,ある土地に生育している植物の集団を全体とし,漠然と指す言葉である.現存植生は,人為的干渉を全く受けずに自然のまま生育している自然植生と,人為的干渉が絶えず加えられることにより持続している代償植生の2つに分けられる.また,代償化する前の植生は潜在自然植生とよばれる.

植生の遷移とは,時間の経過とともに植物群落の構成種が置き換わっていくパターンである.基質に植物を含まない場所から始まる遷移を一次遷移系列,基質に植物を含む場所から始まる遷移を二次遷移系列とよぶ.また,遷移が進行する場所の特徴により,乾性遷移,湿性遷移,塩性遷移,砂性遷移の4つに分類される.

植生の遷移の過程は,人為的,あるいは自然的な要因(火山の噴火等)により発生した裸地に先駆植物が侵入して定着する先駆期から始まる.初期の先駆植物は,短命の草本が大半である.しかし,時間の経過とともに多年生草本の割合が増加していき,これをベースとして森林や草原が形成される成長期へと移行する.形成された森林や草原内部では,植物間の光や土壌養分の獲得競争により植物種の淘汰が進み,最終的には耐陰性をもつ植物や高い生活型の植物が繁茂する極相に達する.

里山林(薪炭林 ,農用林)は代償植生であり,成長期において人為的に遷移を止められた状態にあたる.

極相林について,これまで一度形成されると永続的に安定し,変化することはないと考えられていたが,近年の研究により,極相林内には,林冠植物の実生や稚樹が全く見当たらない場所が存在することが明らかになった.林内には,数十年に一度,樹木の成長よりも短い周期で発生する小規模な錯乱と,台風や山火事といった数百年に一度の周期で発生する大規模な錯乱が混在的に発生している状況にあり,こうした錯乱によって,たとえ極相林であっても,内部では様々な遷移相が入り混じった変化が起きている.

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hiragushi
自信がもてないアラサー。ぼっち。 少しでも自分を変えたいとじたばたしている。

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