米所としてしられる東北地方において,気象災害として恐れられているものの一つに冷害がある.ヤマセとは,6月から8月にかけて東日本で吹きつける北東の風である.寒冷な親潮の上を通るため,冷たく湿った風となり,冷害をもたらす原因となることで知られる.ヤマセが吹き付ける時期は,稲にとって穂が出たり開花したりする重要な時期にあたり,ヤマセによって気温の低い日が続くと大きな被害を受けてしまう.そのためヤマセは,「冷害風」や「餓死風」と呼ばれることもある.
しかしながら,一方で,ヤマセが脊梁山脈を越えるとフェーン現象が発生し,日本海側では,日照時間の増大と気温の上昇につながる.秋田民謡生保内節で東風は宝風として謳われているいるように,出羽は豊作,陸奥は凶作となる現象が発生している.そのためヤマセは,農作物や漁獲に悪い影響を与える太平洋側の呼称として用いられる場合が多い.
参考・引用文献
東北地方の気候の特徴.仙台管区気象台.2014年5月21日検索.
(http://www.jma-net.go.jp/sendai/wadai/touhokukikou/kikou-index.htm)