イタリアチーズの王様「パルミジャーノレジャーノ」
イタリア産のチーズには,「D.O.P.」という3文字のアルファベットが表記されていることがあります.
「D.O.P.」とは,Denominazione di Origine Protetta(デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ)の略称であり,チーズ,生ハム,ワインなど,昔ながらの製法で作られている伝統的な食品に対し,生産地域を指定した上で基準をみたしていることをEU(欧州連合)が証明するものです.「D.O.P.」は,その地域に根ざした伝統的な食品の品質認証を行うことで消費者に正しい情報を提供することを目的に1992年に制定されました.
「パルミジャーノレジャーノ」は,エミリア・ロマーニヤ州の一部地域で「D.O.P.」により定められた製法で作られ,1年の熟成期間を経て,形や色・艶・空洞がないかなど,厳しい審査を潜り抜けたチーズのみが名乗ることを許される特別な名称です.
「パルミジャーノレジャーノ」を加えるだけで料理の味が格段に増すことから,「イタリアチーズの王様」とも呼ばれています.
「パルミジャーノレジャーノ」と「パルメザンチーズ」の違い
「パルメザンチーズ」は,「パルミジャーノレジャーノ」と同じような製法で作られたチーズです.しかし,「パルメザンチーズ」は,「パルミジャーノレジャーノ」ではありません.
その理由は,前述したように,「パルミジャーノレジャーノ」を名乗るためには,イタリアの特定の地域で定められた製法により作られ,それを「D.O.P.」により証明される必要があるためです.
したがって,たとえ「パルメザンチーズ」がアメリカで「パルミジャーノレジャーノ」と全く同じ製法で作られたとしても,それは「パルミジャーノレジャーノ」ではありません.
生産地や熟成期間についても厳密な規定がなく,「パルミジャーノレジャーノ」よりも製造が容易であることから,「パルメザンチーズ」は,「パルミジャーノレジャーノ」よりも比較的安価で,手に入りやすい傾向にあります.
「パルミジャーノレジャーノ」と「グラナパダーノ」の違い
「パルミジャーノレジャーノ」と「グラナパダーノ」の大きな違いは,製法にあります.
「パルミジャーノレジャーノ」は,前日に搾乳した牛乳を一晩おいて分離した乳脂肪を抜いたものと,朝搾乳した牛乳を混合させて原料とし,1日に1回だけ製造され,熟成期間も1年と長いです.
一方,「グラナパダーノ」は,朝夕搾乳した牛乳を使用し,9ヶ月以上熟成されたものををいいます.
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