著作権のあり方に関する考察⑤ まとめ

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まとめ

我が国における著作権は,その取得に対して特別な申請は不要であり,創作した時点で著作権者に帰属し,原則として死後50年間存続する.これは,著作権の国際条約であるベルヌ条約に基づいた無方式主義とよばれる考え方であり,法律の専門家ではない,一般の市民においても活発な創作活動を行うことができるというのが大きな特長である.

しかしながら,この無方式主義は,著作権者の利益を守ると同時に,権利の活発な活用を阻害しているではないだろうか.特別な申請が不要であるが故に,著作権者は,自身の作品の社会的利用に関して無関心となり,また本来自由利用できるはずの情報に対して不要なフィルターをかけ,ユーザーの恐怖心をいたずらに煽る結果を招いてしまっているのではないか.そして,作品の一次利用による直接利益のみに焦点を当てた2012年10月の改正著作権法の施行は,この権利の活発な活用の阻害を,さらに助長してしまっているのではないだろうか.

このような疑問から,本レポートでは,我が国における著作権のあり方について,第1章では現行の知的財産制度の概要,第2章では無断転載と二次創作の違い,第3章において著作権に柔軟性をもたらすクリエイティブ・コモンズ・ライセンスという取り組みについて示した.

二次創作やパロディは,作品におけるユーザー同士の交流や知名度を高め,新規ユーザーの獲得につながる他,創作者とユーザーが共同で新しい作品を創作したり,ユーザーのニーズをダイレクトに汲み取ることができることから,作品の成熟にもつながるという利点がある.無論,作品の世界観の崩壊やイメージダウン,著作権者の金銭的利益の損失につながる可能性等については配慮する必要があるが,昨年大ヒットしたAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」や,世界的ゆるキャラとなった「くまモン」のように,ある程度著作権に柔軟性を持たせることで,成功した事例も数多く存在するということは,留意する必要があるだろう.
本レポートが著作権のあり方に対し,少しでも考える機会となれば幸いである.

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hiragushi
自信がもてないアラサー。ぼっち。 少しでも自分を変えたいとじたばたしている。

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